妻は世間一般女性と同じようにもれなく食器が好きだ。
又木祐治の両親が好きだった食器はロイヤルコペンハーゲンやウエッジウッドなどだった。それぞれイギリスやデンマーク発のブランドで、どちらも高級感のある雰囲気があり又木祐治も好きだった。
妻が好きな食器はシンプルな形、特徴のある柄のイッタラだ。イッタラは『現代的な北欧デザイン』をテーマにインテリアをデザインしている企業だ。
イッタラの中にもいくつかシリーズがあるので、収集癖のある人だと集めるのも一つの醍醐味だろう。
このイッタラは妻だけでなく、今多くの主婦に人気らしい。何がそんなに人々の心を掴むのか。
ひとつは、おしゃれなデザインだが電子レンジでも食器洗浄機でも使えるという点だ。日本の伝統的な焼き物の食器などだと、デザイン性は高いが電子レンジ非対応だったりする。
共働きの多い現代社会ではおしゃれかつ電子レンジ対応は非常に需要があるだろう。
そして、その人気には絶妙なサイズ感もひとつの理由であろう。どこが？と思うが21センチサイズの皿は、洗い物を少なくしつつおしゃれ感も出せるワンプレーとには最適なのである。
又木祐治がイッタラを調べる上で一番惹かれたことは『商品というものは、欠くべからざるもの、美しいもの、使いやすくそしてすべての人が手にすることができるべきもの』という言葉だ。全てのシリーズが使いやすく作られている根本的理由がそこにはあった。
